ドイツといえば自動車発祥の国で、その起源となったダイムラーとベンツのメルセデス・ベンツ博物館を 以前ご紹介しました。今回はフォルクスワーゲンのテーマパーク、アウトシュタット(Autostadt)をご紹介します。

ドイツ語の"au"を日本ではカタカナで「アウ」と表記されていますが、よりドイツ語に近い発音は「アォ」です。 高速道路(Autobahn)はアウトバーンではなく「アォトバーン」、出口(Ausgang)はアウスガングではなく「アォスガング」、 今回のアウトシュタットも「アォトシュタット」という発音がよりドイツ語に近いです。 ですが、既にほとんどのケースで「アウ」と表記され広まってしまっているので、ここでも同様の表記にしました。

アウトシュタットはヴォルフスブルク(Wolfsburg)という町にあります。ここはフォルクスワーゲン社が1938年に工場を構えたことから 発展した車の町です。このアウトシュタットは2000年にオープンしましたテーマパークで、 広大な敷地の中には博物館だけでなく、ホテル、アトラクション、そして購入した車の引取場までもが併設されています。

入口がある巨大なメインホール クレイモデルを作る機械のデモ ビートルのカットモデル

入口のあるメインホール(KonzernForum)は巨大な建物で、ここに切符売場があります。少し歩いてからエスカレーターで2階に上がって見学開始です。 クレイモデルを作る機会のデモ(実物大ではなく小さなクレイモデルを作っています)、ビートルが真っ二つに切られたカットモデル、 風洞実験で使う大きな扇風機、エアバックが作動する仕組みの説明など、自動車に関わる展示や説明がこの館には並びます。

風洞実験の扇風機 W12気筒エンジンブロック エアバックが出る仕組みのデモ

お隣は歴史館(ZeitHaus)に行くと、ここにもまずは1886年にカール・ベンツが開発し特許を取得した 世界初のガソリン自動車(Benz Patent-Motorwagen)が展示されています。 フォルクスワーゲン社からすれば他社(ライバル!?)であっても、自動車の歴史を語るにはここからなんですね(笑)。 そしてこれまた他社製品ですが、世界で最初の大量生産車であるフォードモデルT(Ford Model T)も展示されていました。

世界初のガソリン自動車 世界初の大量生産車 フォードモデルT

他にも真っ赤なポルシェ・タイプ60(Porsche Typ 60)もありました。 もちろんフォルクスワーゲン社の車もたくさん展示されてまして、カルマンギア(Karmann-Ghia)、411LEなどの 懐かしの名車が並んでいます。これらの車は日本の中古車屋さんでもまだ売られていたりするかもしれませんね。

ビートルではなく、ポルシェ・タイプ60 懐かしいカルマンギア こちらも古い車、411LE

フォルクスワーゲンというと、日本でも知られているのはビートルやゴルフでしょう。 パサートやポロなども街中で見かけるようになってきてると思います。 で、"フォルクスワーゲン"といえばそこまでなんですが、"フォルクスワーゲングループ"となると実は驚くほ広がり、 アウディ、ランボルギーニ、ベントレー、日本では馴染みが無いと思いますが、セアト、シュコーダもフォルクスワーゲン傘下なのです。 スーパーカー世代(年齢がバレル!!)には涙物のランボルギーニまでもが同じグループという事実は複雑な気分ですねぇ。 グループ内の共有化もあり、アウディA3と最新型ゴルフは基本車体(プラットフォーム)は同じ物を使ってます。 さすがにランボルギーニと共通の車体を使ってる車はないと思いますけど(笑)。

ランボルギーニ・ミウラですよ!! これは1965年のアウディ60L ディアブロもありました

車の展示意外では、無重力を体験できるコーナー(車との関連は不明)や、 子供が自動車の仕組みなどに楽しく触れられるコーナーなどがあり、 家族連れで訪れても楽しめるように工夫がされています。

無重力体験コーナー 子供が楽しめるコーナーも

メインホールの建物の中にレストランが何店舗か入ってまして、そこで昼食をとりました。 私達が利用したのはピザのお店です。厨房の真中に窯があり、そこで焼きたてのピザを食べることが出来ます。 子供用メニューには、子供が自分で生地の上にトッピングしたものを目の前で焼いてくれるというのがあり、 これは喜ばれると思います。面白かったのは各テーブルの上に置いてある塩・胡椒入で、これはなんとプジョー製品でした(笑)。

後の窯で焼いて出てきます 焼きたてで美味しかったです 何故かプジョーの製品が(笑)

遠くからでも目立つガラス張りの2つの塔はオートタワー(Auto Tuerme)と呼ばれるもので、 近づいて良く良く見ると、中は車でぎっしりなんです。 これ実は車の引き取り場所。そう、中に入っているのはオーナーが引き取りに来るのを待っている車なんです。

ガラス張りの塔 中には車がびっしり!!

敷地内には、フォルクスワーゲン、アウディ、ベントレー、ランボルギーニ、シュコーダ、セアートと、 グループ各社のそれぞれのパビリオンもあります。 ただしそれらは、基本的には最新モデルの展示場という位置付けです。 シアターもあるのですが、内容は自社の車が出てくるイメージビデオでした。 ランボルギーニ館だけ時間の関係で入れなかったのですが、中は何かの上映のようでした。 壁に付いているディアブロも走り出したりする訳ではなく(そりゃそうだ)、ブォンブォンと轟音と煙の演出だけでした。

壁に表れるディアブロ ベントレーの展示 中にシュコーダの車を展示(それだけ)

ま、テーマパークと言っても日本のようなエンタテインメント盛りだくさん、ということではありません。 車好きには歴史館が一番面白く、他の館ではデジカメが活躍する場も少ないと思います(笑)。 フォルクスワーゲングッズやアウトシュタットグッズが売っているお店が2箇所にあります。 訪れた記念に下の物を買ってきました。ま、記念ですから(笑)。

今回の記念のお土産

これでドイツの自動車メーカーの施設を2つ訪問したわけですが、それぞれ楽しめるポイントが違いました。 車好きには、これでもかこれでもかと様々な車が展示されているメルセデス・ベンツ博物館 の方が楽しいと思います。デジカメのメモリーとバッテリーが不足しないか心配しながら歩き回りました(笑)。

一方、アウトシュタットは、広大な敷地に緑や池がある家族向けの場所として作られているようです。 なにせ敷地内に、あのホテル・リッツカールトンがあるくらいなんですから!!

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