ドイツの12月といえばクリスマスマルクト。様々な場所で世界的に有名なものから地域密着型までドイツ中の街の至るところで開催されています。 今回は11月の終わりからクリスマスまでの間に訪ねた、クリスマスマルクトをお伝えします。

ポツダム

このポツダム(Potsdam)は、ベルリンにあるポツダム広場(Poptsdamer platz)のことではなく、ベルリンの南にあるポツダム州の州都のポツダムで、 1945年7月26日に日本に発せられた降伏勧告の宣言『ポツダム宣言』の舞台となった街です。 ポツダムにもブランデンブルク門(ベルリンのよりずっと小さい)があり、そこから教会へ繋がる約600mの通りで クリスマスマルクトが開催されていました。通り面した通路を入っていくと中庭になっているところもあって、そこにもお店がありました。

ポツダムのプランデンブルク門 12月の土日はマルクト、さすが混んでます 中庭にお店がある、ちょっとお洒落な一画

門を抜けて通りを挟んで反対側にはクリスマスタワーがあったり、ミニ遊園地が作られていましたが、 正直に言ってこれらはイマイチでしたね。クリスマスタワーはいかにもという感じの安っぽさでしたし、 遊園地の乗り物に乗っている子供もあまりいませんでした。飾られている人形なんかも品質がちょっと低くかったです。 ただ、唯一子供達に人気があったのは特設スケートリンクで、スケート靴を履いて中に入れる順番待ちをしている子供がいる程でした。

こちらの広場はちょっと寂しい 特設スケートリンクは子供に人気 冷えた身体を温めます

そうそう、忘れてはならないのがグリューバイン(Gruehwein)です。寒い時期、特にクリスマスマルクトでは必ずグリューバインのお店が何軒も出ています。 グリューバインとは、赤ワインに砂糖、オレンジ、レモン、シナモンなどの香料を混ぜて暖めたものです。 そう、お燗された赤ワインの砂糖・香料入りです。寒い野外ではこれを飲むと身体が温まるんですね。ドイツ人はとにかくこれをよく飲みます。 私も昨年、そして今年と挑戦しました。決して飲めないものではありませんが、いまだに"好き"にはなれてません(笑)。 マルクトのグリューバインでたまに見かけるのが特徴のあるカップで売っているもので、最初に飲み物とカップ代込のお金を払います。 飲み終わってからカップを返却するとその分のお金が返金されますし、返却せずにそのままもって帰ってもOKです。 ポツダムのマルクとでは長靴型のカップにクリスマスの絵柄が描かれたものがあり、返却せずに家に持って帰ってきました。 たくさんのお店の中から気に入ったカップを探して飲むのも楽しいと思います。

ベルリン - シュパンダウ(Spandau)

シュパンダウ(Spandau)はベルリンの北西部にある地区で、城塞ツィタデレをご紹介した場所です。 ここのはベルリンでも有名なものの1つで、今年で30周年を迎えます。マルクトの規模も大きいのですが、それ以上に人が多い感じで、 人気のスポットは歩くのも大変な程の混みようでした。 実は昨年のクリスマス、ベルリンに来て間もない頃に人に薦められてここへ来てみたのですが、電飾などはあっても屋台やステージなどが全然無くて、 普通のお店がクリスマスっぽいものを打っているだけ、通りも閑散としている状態でした。 当時はよくわかっていなかったので、クリスマスマルクトってこういうものなのかなと考えたりしたのですが、周りの人に聞けば聞くほどそんな筈はなくて どうやらクリスマスマルクトが終わった後に来てしまったのかもと。やはり今年来てみたら、この通り凄い賑わいでした。

"30周年のクリスマス市"の電飾 さすが凄い人出、歩くのも大変 ステージではクリスマスソングの演奏

買い物はマルクトの楽しみの1つですが、もう1つは当然食べ物ですね。その中でも逃せないのが焼き栗です。これは美味しいですよ!! 日本の天津甘栗と違って味付けはされておらず、ただ焼いただけなんですが、そのぶん栗本来の美味しさが味わえます。 当然、栗の品質によって味が大きく左右されるため、美味しい店で買えば美味しくて、逆にハズすと酷い目に遭います(笑)。 ここで食べた焼き栗は大当たり!! 栗そのものが柔らかくてほんのり甘くて美味しかったです。

これは大当たり!! これは日本でもウケけるでしょ 暗くなってさらに雰囲気が増しました

もう1つ見つけた美味しいもの、それがはGermknoedelというドイツ風あんまん(!?)です。今までもちょくちょく見かけていたのですが、今回初めて食べてみました。 白いカワの部分は日本の中華まんとほぼ同じ、あんとして中にベリーが入ってます。外側に甘いミルク(練乳を溶いたソースのようなもの)をかけ、 上にチョコやシナモンをふって出来上がりです。暖かくてベリーが甘酸っぱくて美味しいです。日本でやっても必ずウケると思います。 そんなこんなしているうちに日も暮れて、さらに雰囲気が良くなっていくマルクトでした。やっぱり暗くなると電飾が映えますからね。 (ちなみにこの時期は日の入り時刻は16時頃です)

ベルリン - ジャンダルメンマルクト

ジャンダルメンマルクト(Gendarmenmarkt)はベルリンで最も美しい広場と言われている場所で、 北側にフランスドーム(Franzoesischer Dom)、南側にドイツドーム(Deutscher Dom)、そして広場にはコンツェルトハウス・ベルリン(Konzerthaus Berlin)があります。 あ、クリスマスとは関係ありませんが、9月にここで六本木男性合唱団のコンサートがありまして、私達も聴きに行きました(笑)。本題に戻りまして、 ここのマルクトでは入場料として1ユーロが取られるんです。私達はそれを全く知らなかったため、出口側から中に入ってしまいました。 誰かを呼び止めるように声をかけている人が後ろの方にいたのですが、まさか私達に声をかけているとは思わなかったので、そのまま入場料払わずに(笑)。 実は入場料を取るようになったのは今年からのようなんです。日本のある新聞でも"今年から有料のベルリンのクリスマスマルクト"という紹介記事が出ていて 私もそれを読みましたが、それはまさにこのジャンダルメンマルクトのことでした。

コンツェルトハウスも夜に映えます 巨大ツリーとドイツドーム 有料でもこれだけの人出

記事にも現地のコメントとして、入場料を取る代わりにマルクトの質を上げたとありましたが、確かにここのマルクトは質が高くて、 会場を歩いていても本当に楽しめました。また、ドイツ語学校の先生(当然ベルリン在住のドイツ人)も、ここのマルクトは質が高くて食べ物も美味しいとご推薦でした。 マルクトの中には観光客相手が目当てのためか、どんどん質が下がっているものも多々あるそうです。

ステージではクリスマスソング 焼きたてホヤホヤにネギ乗せ!! その場で釜で焼きます

さて、さっそくその食べ物ですが(笑)、ここで食べた釜焼きパンは美味しかったですよ。パンにチーズとハムをのせてその場で釜で焼き、 焼きあがったらその上にネギ(!!)をふりかけで出来上がり。お店の前には焼き上がりを待つお客さんの行列が出来てました。 これも日本でやったらウケる筈です。日本の屋台や露天で釜焼きが出来るかどうか分かりませんが。

ドレスデン

ドレスデン(Dresden)のクリスマスマルクトは非常に有名で、ドイツ国内だけでなく他の国からも多くの人がやってきます。 そんなに有名なら是非行っておかねばということで、私達も週末に車を飛ばして行ってきました(ちなみにベルリン-ドレスデンは約200km)。 イースター旅行で訪れたので2度目なんですが、 相変わらず多く観光客で賑わっていました。まずはツヴィンガー(Zwinger)宮殿、そしてブリュールのテラス(Bruehlsche Terrasse)へ行きました。 前回は天気が悪くて残念な思いをしたのですが、今回はまるで絵画のような素晴らしい眺めを見ることが出来ました。

旧宮廷教会とレジデンツ城 絵画のような素晴らしい眺め フラウエン教会へ続く通りでも

ブリュールのテラスからフラウエン教会(いまだ再建中)へ続く通りにもマルクトが出ていました。やはりこの時期はいたるところでマルクトなんですね。 ここを通り過ぎてから目指すマルクトの広場へ行く途中に別のマルクトをやっていたのでそこにも立ち寄りました。 この会場は入場料を取るタイプでしたが、それでも中はもの凄い盛況ぶりでたくさんの人が楽しんでいました。

寒さに関係なく人がいっぱい(笑) 焼きたてパンは美味しい!! さすがにこれはちょっと...

ここで見つけたのがその場で焼くパンです。中にチーズとハムが入っているんですが、焼き立てなのでチーズが溶けているんです。 ピザほどチーズが多くないので味もしつこくなくて、美味しかったです。他にブタ(たぶん仔豚)の丸焼きもやってましたが、さすがにこれは遠慮しました。 やっとお目当ての有名なドレスデンのクリスマスマルクトに到着です。このマルクトはドイツ最古の伝統を誇るもので、なんと1435年から開かれており、 今年で569回目!! 広場中央には世界最大のクリスマスピラミッドが立っています。

世界最大です!! 569年の伝統、569回の奥深さ 巨大なツリーとクリスマスピラミッド ご飯と醤油を下さい(笑)

もの凄く広い会場、そしてそれを埋めつくす人・人・人!! この状況で全部を見て周るのは結構大変なんですよ。それに寒さも厳しくて。 私達もまだ少し明るいうちから見始めたのですが、寒さと歩き疲れでいったん広場の横にある靴屋さんに入り一休み(靴屋には椅子があるので)。 また暫く見て周って、こんどはそばのショッピングセンターにはいってコーヒーを飲んで身体を温めながら休憩。 また暫く見て周ってから再度ショッピングセンターで冷えた身体を暖め、また見て周ってやっと全部制覇したかな、という感じでした(笑)。 このマルクトで見つけた美味しいもは(なんか食べ物ばっかり書いてますけど)、イモと玉葱を混ぜて揚げたものなんです。 味は日本の掻揚げ天ぷらに非常に近くて、塩味がほど良くて美味い! ちょっと懐かしい味がして嬉しい!! ところがビックリしたことに、ドイツ人はこれに砂糖やリンゴペーストをのせて"お菓子"のようにして食べてるんですよ。信じられない。 醤油と暖かいご飯を下さいって言いたい味なんですけどね、日本人にとっては。

ベルリン - メキシコプラッツ

メキシコプラッツ(Mexikoplatz)は、うちから車で数分のところにあるSバーンの駅で、この時期は駅の周りにクリスマスマルクトが出ます。 といっても大規模なものではなくそれほど有名なものではないのですが、その分地域の人がやってきて楽しんでいるほのぼのとしたものがあります。

特徴のある形の駅の周りにマルクト 普段着でキャロルを歌っています このお爺さんが描いています

家から近いこともあり昨年もきたのですが、このマルクトでのお気に入りは、お爺さんが描いたメキシコプラッツ駅をテーマにしたカードです。 有名な観光地だとその手の絵を売っている人をたくさん見かけますが、メキシコプラッツは別に観光地でも何でもないんです。 でも、特徴的な形の駅を中心に緑や街並みを暖かく優しいタッチで描いているお爺さんのカードが、なんともいい感じなんですよ。

カード自体も、お爺さんが描いた絵を写真に撮って現像して、絵の部分だけハサミで切り取って台紙に貼って、 その下に絵のタイトルを直筆で一枚一枚記してあるものなんです。本当に何から何までお手製のカードで嬉しくなってしまいます。

ベルリン - ドメーネダーレム

このホームページですっかりお馴染みになった気がする(笑)ドメーネダーレム(Domane Dahlem)にも行ってきました。 なんですが、この日は突風と時より降る激しい雨に見舞われて、とてもマルクトを楽しむ天候ではありませんでした。 それでも会場は結構な混雑で、本当にドイツ人はマルクトが好きなんだなぁと実感しました(って、自分も行ってるわけですが)。 会場の奥に進んでいくと、まぁなんと、あの火の点いた棒を使ってジャグリングなどをする二人組みがいるではありませんか。 ドシャ降りの雨の中であっても大きな声を張り上げて芸をやっているようです。う〜む、素晴らしい芸人魂。感心しました。

天気が悪くてもこの混雑 雨の中でご苦労様です 初めて見る焼き物

でも、やっぱり雨は激しいし、気温が低くて突風にさらされると寒くて寒くて、ということで、 この日は長居せずに早々に引き上げてきました。

ベルリン - カイザー・ヴィルヘルム記念教会

カイザー・ヴィルヘルム記念教会(Kaiser-Willhelm Gedachtniskirche)は、ヴィルヘルム皇帝のために19世紀末に建てられた教会です。 1943年の空襲で酷く破壊されたのですが、戦争の悲惨さを後世に伝えるために修復されずにそのままの姿で現在も残されているものです。 ここは観光名所としても有名であり、当然この時期にはクリスマスマルクトが開催されます。 暗くなってから行けば、ライトアップされた教会やその周りのマルクトのあかりで華やかな雰囲気です。 またこのすぐ側からはクーダム(Kufuerstendamm)と呼ばれる一帯で、有名なデパートや高級ブランドショップ・ブティックが並んでおり、 クリスマスシーズンに一度はショッピングにやってくるという人も多いと思います。

ライトアップされた教会 教会の周りにマルクトが出ます クーダムも華やかに買い物客を誘います 昼間の姿はこちら

ここのマルクトは有名で観光客も多くいつでも賑わっています。クリスマスの装飾品から食べ物、そしてクリスマスと全然関係ないものまで(笑) 様々な店が出ているので一通り歩くとなかなか楽しめます。その一方で、観光客目当てという点が強いせいでしょうか、 伝統的なクリスマスマルクトという雰囲気が薄いのも確かです。

ベルリン - アレクサンダー広場

テレビ塔のすぐ側、アレクサンダー広場(Alexanderplatz)で開催されるマルクトもベルリン内で有名なマルクトの1つです。 ということで行ってみたんですが、既に多くのマルクトに行って目が肥えてきたせいもあってか、正直に言ってここのは面白くなかったです。

ここも多くの人で賑わってはいます テントで囲われたスケートリンク クリスマスとの関係は...!?

確かにお店はたくさん出ているんですが、なんというか普通のお店や飲食店が多い感じがしました。 最新のディスコナンバーをがんがん鳴らしているスケートリンクはあり、マルクトとしては非常に"現代的"というんでしょうか。 まだ明るかったとはいえ、目を引くような電飾もなくて、ちょっと残念でした。

ベルリン - オーパン・パレ

ベルリン国立歌劇場(Staatsoper)横のオーパン・パレ(Opernpalais)で開催されるマルクトもベルリンでは有名なものの1つです。 こちらはマルクトの電飾も鮮やかで、会場も広くて楽しめました。 この時までに随分とマルクトに出かけているので、かなりクリスマス飾りも購入しているんですが、 それでも綺麗なお店を見つけると立ち寄ってしまいます。そして歩き回るうちに小腹が空いてきて、何か食べたくなるんですね(だから食べ物の話題も多いわけです)。 ここでは久しぶりにクリーブルストを食べました。かなり細かくカットされたソーセージにカレー粉とケチャップがたっぷりでした。

ここも凄い人の賑わいです 2人組の女性の謳うキャロルが響きます 久々に食べました、クリーブルスト

そうそう、ベルリンには有名はオペラハウスが3つあります。 ベルリン国立歌劇場(スターツ・オパー)、ドイチェ・オパー(Deutsche Oper)、コミッシェ・オパー(Komische Oper)です。 ドイチェ・オパーへは10月に行きましたし、コミッシェ・オパーは1月に行く予定にしてます。そのうちにベルリン国立歌劇場も来てみたいです。

ニュルンベルク(Nuernberg)

夏旅行ニュルンベルクに訪れた時、クリスマスに再度ここに来たいなと思ってました。 ここのクリスマスマルクトは有名ですし、実際訪れた人からも素晴らしいとお話も聞いていたのです。 ということで、今年のクリスマスは3泊4日でニュルンベルクで過ごしてきました。 2日目にかなりの雪が降り、街もすっかり雪化粧です。クリスマスマルクトですから、この方が雰囲気も盛上りますね。

雪化粧したニュルンベルクの街 規模も綺麗さも、さすがです 前に進めないほど混雑する場所もたくさん 聖夜に映える美しの泉

ドイツ国外からもたくさんの人が訪れるマルクトは、規模も綺麗さも素晴らしかったです。 メインの中央広場はたくさんのお店で埋め尽くされた上に、これまたたくさんの人です。 みんなお店を見ながら歩いては立ち止まり、歩いては立ち止まりという感じで、前に進めなくなることもしばしばでした。 お店はクリスマス飾り、木工人形、ローソクなどのこれまで各地で見かけた類のお店は全部有り、 さらにニュルンベルク名物のレープクーヘン(Lebkuchen)などのお菓子やプレイモービル専門店まで。 そこへ名物のニュルンベルクソーセージの焼ける良い匂いが充満して(笑)、ここに行って本当に良かったです。

聖ローレンツ教会 木工人形やロウソクたてなど 木や藁(ストロー)で作られた飾り もちろん食べました、名物ですから

それから、今回非常に驚いたことがあります。それは日本人がたくさんいたことです!! 夏に来たときは全く日本人に遇わなかったんですけど、今回、昼間にニュルンベルクの街を観光しても、夜にマルクトを歩き回っていても、 とにかく日本人観光客がたくさんいるんですよ。もちろん欧州内からニュルンベルクに来ている方々もいるとは思いますが、 最近は日本でもニュルンベルクが含まれているツアーとかあるんでしょうかねぇ。いや〜、ビックリしました。

まとめ

ドイツの冬は寒くて暗いんです。12月は一日の3分の1しか太陽が出ていなくて、朝7時に起きても外は暗く、夕方4時半にはもう夜ですか!?ってなもんです。 そして気温は時に氷点下に突入します。ですから、クリスマスマルクトは一層楽しみと期待に満ちたものになります。 今回はベルリン内外の計10個のクリスマスマルクトをお伝えしました。この中でお勧めなのは(あくまでも個人的趣味によりますが)、 ベルリン外ではニュルンベルクとドレスデン、ベルリン内ではジャンダルメンとシュパンダウでしょうか(メキシコプラッツの絵のお爺さんの店には別途行くとして)。 このマルクトの雰囲気は、写真と文章ではなかなか伝わりにくいかと思うんですが、その割には大量の写真を使った長い物になってしまいました(笑)。 え? 写真だけじゃどのマルクトも全部同じ見える!? う〜む、そう言われちゃうと、困っちゃうんですけど(冷汗)。

あ、最後にマルクトで買ったたくさんの飾りをつけた、我が家のクリスマスツリーお披露目して、マルクト特集を終わりとさせていただきます。


〜 おまけ 〜

ギーンゲン

ニュルンベルクに3泊したので、そのうち1日を使って南ドイツにある小さな町、ギーンゲン(Giengen)に行ってきました。 ギーンゲンと聞いてピンとくるあなたはきっとテディベア好きですね? そう、ギーンゲンはテディベアの故郷なのです。

シュタイフ社の創立者マルガレーテ・シュタイフは、1歳半の時の小児麻痺によって右手・両脚の自由が奪われ車椅子の生活となりました。 しかし彼女は明るい性格そして大変な努力家で、1877年に「フェルト・メール・オーダー・カンパニー」(フェルト製品の販売店)を設立します。 1880年にフェルト素材で像の針刺しを作ったところこれが評判になり、そこからロバ、ブタ、ウマなど色々な動物のぬいぐるみへと発展して行きます。 1902年に彼女の甥であるリチャード・シュタイフが熊のデッサンを元にそれを商品化することをマルガレーテに提案し、 それまでのフェルト素材のぬいぐるみとは違う、そして手足のが動いてポーズをつけることが出来る熊のぬいぐるみが誕生します。 シュタイフ社では今でも一体一体手作業でテディベアを製作しているということです。

なお、クマのぬいぐるみをテディベアと呼ぶのは、当時のアメリカ合州国大統領セオドア・ルーズベルトが、 支持者達が獲物がなかった時のために用意していた仔熊を大統領が銃で撃つことを拒み仔熊を助けたことがあり、 クマのぬいぐるみを、大統領の愛称(セオドアの愛称)であるテディから名前をもらってテディ・ベア(大統領のクマ)と呼ばれるようになったことが起源のようです。

シュタイフ社の工場には、門から入って左側にマルガレーテ・シュタイフ博物館(Margarete Steiff Museum)があり、 マルガレーテさんの遺品やシュタイフ社の代表的な製品を見ることが出来ます。

こちらがシュタイフ社の工場 入口にある記念碑 博物館にはたくさんの製品が並んでます リチャード・シュタイフさんです

テディベアだけでなく、ミッキーマウスやその他の動物もたくさん展示されてます。 クリスマスだからでしょう、トナカイもいました(人間よりも背が高い!!)

工場の左側(門を入らずに駐車場側に入口)にはアウトレットショップがあります。店はそれほど大きくありませんが、 シュタイフ社の製品がかなり安い値段で購入することが出来ます。また、ボタンの付いてない製品(検査ではねられた物)はもっと安く購入できます。 もちろん、私達も購入してきました。写真左は子ブタ(ボタン有)、右奥は2003年のミュージアムベア(ボタン有)、前にいる小さいのはミニクマ(ボタン無)です。 結構値段は張りましたが、シュタイフ社へ行った思い出に良い買い物が出来ました。

我が家にいるシュタイフの仲間たち

<補足> 工場のアウトレットショップで値段を見て、正直ぬいぐるみにしては高いなぁと思いましたが、 家に帰ってきてからインターネットで日本でのシュタイフ社の製品の値段を知ったとき、倒れそうになりました(笑) そんなにするんですね、いやビックリ...。

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