とある普通の土曜日。家から車で15分程度の、ベルリンの隣のポツダムにあるステルンセンター(Stern Center)という大きなショッピングセンターに行きました。 ここには洋服・靴などのファッション系から、オモチャ、電器、食料品、旅行代理店、レストラン、郵便局などなど 様々な種類のお店がたくさん入っています。最近エスプレッソマシーンが欲しくなってきていて、ちょっと偵察に行きました。

駐車場からショッピング棟に入っていくと、すごい曲線でデザインされた車が視界に飛び込んできました。こりゃすごい流線型だ、ということで、 早速デジカメに収めました。で、進んでいくと更にフェラーリのエンブレムをつけた車や自転車、飛行機、船、装飾品など、 いろんなものが展示されていたのです。

自然から学んだフォルム こちらはフェラーリのエンブレム付き 列車のデザイン。次世代新幹線はこれか!?

面白そうなものを次々にデジカメに収めながら、なるほど何かの展示をやっているのだなーと。 そしてところどころに人の似顔絵らしきマークも見かけました。

ちょうど建物の真中のところに着いたところ、人が並んで何かを買っているようでした。 何なのかなぁと思って回り込んでみると、あの似顔絵の顔の人がそこに座っていて、 その場で自身がデザインしたボールペンにしていました。それをみんな並んで買っていたのです。

日本の「宇宙開発事業団」の名前入り 自転車もありました 「SAKURAMARU」と入った貨物船

ボールペンのほかにも、ポスターやトラックのミニチュアなどもありました。 コラーニ(Colani)という名前の人のようなのです。 誰だか分からないけどみんなが並んでまで買っているし直筆サイン入りだから、 ということで、私もボールペンを買ってきました。ちなみにお値段は5ユーロでした。

サインをするコラーニ氏 金文字の直筆サイン入り

家に帰ってから早速インターネットで"COLANI"を検索してみると、あらまぁビックリ。 なんとルイジ・コラーニ(Luigi Colani)という有名な工業デザイナーだったんです!!

調べてみると、コラーニ氏は1928年にベルリンで生まれ、The Academy of Art in Berlinというところで学んだそうです。 まだ学生の時分からディオールの靴をデザインしてたという人であります。 自然から学んだという彼のデザインの特徴は曲線です。それはただ曲線を多用しているというのではなく、 流体力学から緻密に計算された曲線です。手がける物は、自動車、オートバイ、自転車、鉄道、飛行機だけでなく、 靴、ペン、食器、楽器、文具、キッチンなどなど多彩です。彼が手がけたメーカー名でいうと、フェラーリ、ポルシェ、BMW、 フォルクスワーゲン、アルファロメオ、ランチァ、オペル、クライスラー、NASA、マグドネル・ダグラス、ボーイング、キャノン、ソニー、ヤマハ、 セイコー、日産、シスコ、ディオール、ジョルダン、シャネル、ペリカン、たち吉、などなどなど、 書ききれないほどすごい数であることが分かり、ビックリしました。

結局、気に入ったエスプレッソマシンは見つかりませんでしたが、思わぬ収穫を得て帰ってきました。 この日の買った直筆サイン入りボールペンは、リビングにある飾り棚に置いて、絶賛展示中です。

ただ、いまや自分でデザインしたトレーラーを製造できるほどの経済状態にある大物デザイナーが、 なんでショッピングセンターで催しをやっていたのかは謎です。自分の郷里ドイツでだからなんでしょうかねぇ(笑)。

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